株に投資をする際にまず考えなければならないのはリスクの取り方ですね。特に投資をした株をいつ売るべきかについてはしっかりルールを決めなければいけません。
プロの考える「損切り」の考え方
広瀬の外国株式・海外ETFデビュー講座 - 損切りがうまくなるコツ
いつも更新を楽しみにしている広瀬さんのコラムです。今回は「損切り」がテーマでした。
利益の出ないポートフォリオの大掃除の仕方など、示唆に富んだ有益な内容で、特に重要なのは最後に書かれている「ルールが必要」という点ではないでしょうか。
損切りにはルールが必要です。なぜなら人間は平時には合理的な判断をしやすいですけど、損をしているときほど理性を失い、ハチャメチャな理屈をこねまわして損切りという合理的な選択を拒みがちだからです。
広瀬さんの提示する損切りのルールは下記の通りです。具体的なところは是非コラムをご覧ください。
- 【ルールその1】最初の損がベストだ
- 【ルールその2】トレンドラインを割り込んだ銘柄は売る
- 【ルールその3】決算をしくじった銘柄は売る
これらルールに共通するのは、損切りの条件に達したら感情を捨てて冷静に売る、ということに思います。
「今回の決算では株価を下げたけど、これはいい銘柄だから後でまた上がるはず」などといった根拠のない個人的な思い込みは捨てねばなりません。
このルールをしっかり決めてそれに従うことの重要さは、最近読んでいるマーク・ミネルヴィニ氏の新著「株式トレード 基本と原則」でも繰り返し触れられていました。第1章が「常にトレードプランに従う」になっているくらいですしね。
投資のプロたちが同じポイントを教えてくれているわけですから、ここは素直に従っておきましょう。
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具体的な「損切り」のラインは?
損切りのルールを決めるとして、そのラインをどこに引くべきでしょうか。
この点についても過去の広瀬さんのブログ記事が非常に参考になります。
大きくはグロース投資・モメンタム投資の場合と、バリュー投資の場合の2パターンで説明してくれています。
【グロース投資、ないしはモメンタム投資の場合】
グロース投資、あるいはモメンタム投資が好きな人の場合、ドローダウンを限定する方法はひとつしかありません。それはロスカットの基準を設けることです。たとえば僕の場合、買い値から8%以上、その株が下がったら、どんな理由にせよ損切りします。これは傷口を大きくしないためです。
【バリュー投資の場合】
バリュー投資の場合、上に述べた8%のロスカット基準は使いません。その代り、フェロモンむんむんの、キラキラ女子のような株は、そもそも相手にしません。つまり買い注文を発注する以前の銘柄選択の段階でディシプリンを働かせるわけです。
バリュー投資の場合は損切りを考える訳ではなく、そもそもの銘柄選択の時点で選定ルールを決めてそれに従うということですね。
また最近のSaaS銘柄のようなグロース投資の場合は、損切りの基準値をしっかり決めておくことが必要ですね。広瀬さんは買い値からの8%の下落を基準とされてます。
この基準については先述のミネルヴィニ氏も同様のルールについて書籍で述べていました。また、Investor's Business Dailyのコラムでも全く同じことを述べていますね。
Limit Your Losses to 7%-8%
Even the best stocks will sometimes break out, and then drop to slightly below their ideal buy point. If your stock declines more than 8% it usually means something is wrong with your chosen entry point, the company, its industry, the general market, or all the above.https://www.investors.com/ibd-university/how-to-sell/
損失を7〜8%に抑えよう
最良の銘柄でも時に崩壊し、理想の買値ポイントからわずかに下げることがあるでしょう。もしあなたの投資した銘柄が8%以上下落したら、大抵はエントリしたポイントやその企業、業界、市場、あるいはその全てに何かおかしな点があることを意味します。
以上の投資のプロの考え方を参考に、株を売る際のルールを自分なりに次の通りにまとめました。
- 買い値の8%以上を下げたら売る
- 四半期決算でEPS・売上高・ガイダンスのどれかがコケたら売る
- トレンドラインを割ったら売る
- 全部売るか半分売るかはその時の状況次第
最後はちょっと弱気なルール設定ですが、ミネルヴィニ氏も「ポジションの半分を売る」ルールの有用性に触れていましたので、これくらいの余地は残しておきたいかなと。
今はまだ米国株は好調さを維持していますがいつリセッションが訪れるか分かりませんし、これらルールは常に意識して行動しようと思います。