5月1日はアップルの2018年第2四半期の決算発表です。アップル株ホルダーとしても決算には期待していますが、周辺の企業決算から悪いニュースが続いているのが気になります。
- 半導体試験装置のテラダイン、モバイル機器向け試験装置の需要減少で業績予想を下方修正
- 半導体製造会社のSKハイニックスもモバイル需要の減少によりDRAM出荷数が減少
- ゴリラガラスの製造会社コーニングは売上が減少
- 半導体ファウンドリのtsmcもスマホ需要の鈍化を指摘
- 好決算のサムスン電子もスマホ市場の弱さに懸念を示す
- 世界最大のスマホ市場である中国でもスマホ販売台数が大きく落ち込み
半導体試験装置のテラダイン、モバイル機器向け試験装置の需要減少で業績予想を下方修正
半導体試験装置のメーカーであるテラダイン(TER)が24日に四半期決算を発表しました。
決算としてはEPS・売上高ともにコンセンサス予想を上回る好決算でしたが、次のQ2向けのガイダンスを大幅に下方修正した結果、株価が大きく下落してしまいました。
- ガイダンス:Q2の売上高 4.9〜5.2億ドル(予想:6.96億ドル)
ガイダンスの下方修正の理由として、テラダインはモバイル機器向けの試験装置の需要が大幅に減少しているためとしています。
Despite the strong first quarter results, the demand outlook for 2018 mobile device test capacity declined sharply in the quarter and our second quarter guidance reflects that revised outlook.
(第1四半期の好調な業績にもかかわらず、第2四半期にはモバイル機器試験の2018年の需要見通しが大幅に減少しており、第2四半期のガイダンスは修正した見通しを反映しています。)
Teradyne Reports Revenue and Earnings Growth in First Quarter 2018 | Teradyne Inc.
アナリストの見立てでは、アップルのiPhoneの需要減少がテラダインの装置需要減少に大きく影響を与えたのではとのことでした。
半導体製造会社のSKハイニックスもモバイル需要の減少によりDRAM出荷数が減少
半導体メーカーのSKハイニックスも24日に四半期決算を発表しましたが、ここでもモバイル需要の減少について触れていました。
Quarter-over-quarter, DRAM bit shipments decreased by 5% due to weak mobile demand and lessened production days nevertheless of sustained robust server demand.
(前年同期比では、モバイル需要が鈍化し、サーバの需要が堅調に推移したにもかかわらず生産日数が減少したため、DRAMの出荷台数は5%減少しました。)
SKハイニックスはiPhone向けにメモリを製造する企業の一つですので、ここで触れているモバイルの需要減少にはiPhoneも含んでいるでしょうね。
ゴリラガラスの製造会社コーニングは売上が減少
iPhoneも採用していることで有名な「ゴリラガラス」の製造元・コーニングも24日に四半期決算を発表しました。
決算内容は好調でしたが、ゴリラガラスを扱うスペシャリティマテリアルズ部門については前年同期比で-7%の減収となり、純利益も-19%の減益となっていました。
ゴリラガラスを採用するスマホはiPhone以外にもたくさんあるので今回の減収減益の要因をiPhoneだけに求めることはできないですが、それでもやっぱりiPhoneが不調だったのかなと考えてしまいますね。。
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半導体ファウンドリのtsmcもスマホ需要の鈍化を指摘
iPhoneのプロセッサを供給している半導体ファウンドリの台湾セミコンダクター・マニュファクチャリング・カンパニー(tsmc)は19日に四半期決算を発表しましたが、内容としてはEPS・売上高ともにコンセンサス予想を下回るものでした。
さらに今年のスマホ需要の低下と売上高の下方修正を示したことで、アップルの株価の下落を呼び込んでいました。
半導体受託製造で世界最大手の台湾積体電路製造(TSMC)が、今年のスマートフォン需要が軟化するとの見通しを示したことで、前日の米国株式市場で米アップルが2%を超す下落、フィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)は4%を超す下落となった。
世界最大手のtsmcがスマホ需要の軟化を指摘しているのは説得力が違いますね。。
好決算のサムスン電子もスマホ市場の弱さに懸念を示す
26日の決算発表で過去最高益を発表したサムスン電子ですが、ここでもスマホ市場に対する懸念が示されていました。
ただ、世界のスマートフォン(スマホ)市場の弱さが利益の伸び鈍化につながるとの見通しを示した。
スマホ向け有機EL(OLED)パネルの需要低下が第2・四半期の課題になるとも指摘した。
サムスン電子は発表文書で「ディスプレーパネル分野が弱いほか、ハイエンド向け市場の競争激化でモバイル事業の利益率が低下しており、会社全体で利益を伸ばすのは難しい課題となる」としている。
スマホ向けのパネル需要が低下しているようで、世界的にもスマホ需要の鈍化が顕著になってきているのでしょう。
サムスンが次期iPhoneのパネル生産を開始予定との噂もありますが、果たしてどうなりますかね。
世界最大のスマホ市場である中国でもスマホ販売台数が大きく落ち込み
世界のスマホ市場の弱体化を示す例として、世界最大のスマホ市場である中国でもはっきりと需要が減少しているようです。
2018年1~3月期の中国でのスマートフォン出荷台数が前年同期比21%減の9100万台と、過去最大の落ち込みを記録したことが27日までに分かった。
21%の出荷台数減少はかなり大きな落ち込みですね。中国はスマホメーカーが非常に多いですし、中国市場は随分と成熟しているのかもしれませんが、このまま出荷台数の減少が続くとiPhone販売台数にもハッキリ影響がでるでしょうね。
記事によれば中国でのiPhoneシェアは2つ順位を落として現在6位のようで、スマホ需要の減少に加えてiPhone需要の減少も重なるとなると、中国市場での存在感はかなり弱いものになりそうです。
アップルの決算発表は週明けの5月1日を予定していますが、これだけスマホ需要の鈍化を口にする企業が揃うと、2018年のアップルの決算が心配になってきます。
アップルとしてもiPhone依存の状況を遅かれ早かれ打破しなければならないでしょうから、今の逆境をバネになんとか頑張ってもらいたいものです。
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