昨今の成長が著しいセクターの一つがテクノロジー・セクターです。主要なテクノロジー銘柄が高値を示し続けている中で、こういったセクターへの長期投資を考えるためには、やはり今後の動向を予見することも必要になってきます。
What's New in the Technology Sector?
今回はMarket Realistの記事を参考にさせてもらいました。この一連の記事では5つのトピックを取り扱っています。
なぜIBMは再びBMWと手を組むのか?
IBMとBMWは昨年12月に事業提携を発表しました。IBMのWatsonを利用して安全で快適なドライビング体験を提供することを目的としたものです。
その後、今月に入りコネクテッド・カーのクラウドサービス提供に関して、再びIBMとBMWの提携が発表されました。
コネクテッド・カーはBMWに限らず全ての自動車会社が取り組む領域です。例えばトヨタはNTTと提携することでこの領域への進出を強化しました。
クラウドサービス・プロバイダーとしては、自身のビジネスの拡張先としてコネクテッド・カーは非常に魅力的です。将来の自動運転の普及もあり、早い段階から車両データを収集できる環境とポジションの構築は至上命題です。
IBMはBMWに限定されない中立なプラットフォーム構築を目指しているとのことですから、実績を積みつつ他の自動車会社との連携を模索しているのだと思われます。
ベライゾンによるYahoo買収と、Yahooの消滅
先日にベライゾンによるYahoo中核事業の買収が完了しました。同時にYahooのCEOマリッサ・メイヤーは辞任とのことです。
今後のYahooは、過去にベライゾンが買収したAOLとともにメディア事業専門のOathという会社に統合されるとのことです。
コア事業を売却後は、アリババと日本Yahooの持株会社としてAltabaという社名に変更されます。
かつてのサーチエンジンの覇者Yahooも、Googleの登場以降は迷走していた印象が強いですね。歴史の一幕が閉じたように思います。
スナップチャット、Facebookとの競争に苦戦中
日本でも人気のSNSアプリ、スナップチャット(ティッカーシンボル:SNAP)ですが、競合のFacebookやTwitterと比べて状況が芳しくないようです。
過去1ヶ月の株価を三社で比較するとFacebook(FB)だけがプラスの収益率で、スナップチャットが最も低い値となりました。
これらSNSアプリは収益の多くを広告費に頼っています。そのためアプリのダウンロード数の低下はビジネスに非常に大きなインパクトをもたらします。記事によれば、スナップチャットのダウンドード数が鈍化する一方で、Facebookが買収したInstagramのダウンロード数は増加しているようです。SNSアプリの競争はプレイヤー数が限られてきたこともあり、ここで踏ん張れないとFacebookの覇権が実現するかもしれません。
SpotifyはストリーミングサービスでAppleの一歩先を行っている
日本にも上陸したストリーミングサービスのSpotifyですが、その成長率では同じくストリーミングサービスを持つAppleを超える値を示しているようです。
そんな好調のSpotifyは最近では買収によるビジネス強化に熱心なようです。
そんな好調な企業は、より好調な企業の買収ターゲットになるようで、FacebookやGoogleがSpotify買収を狙っているのではとの噂も耳にします。驚きのニュースが飛び込んできてもおかしくないかもしれません。
スプリントの無料プランは功を奏するか
ソフトバンクの子会社でもあるスプリントが、ベライゾンからの乗り換え顧客向けに1年間の無料プランを提供するキャンペーンを開始しました。
スプリントは契約者数ではもともとは全米3位でしたが、T-モバイルの成長の結果、4位に落ちてしまいました。今回のキャンペーンはそうした状況を背景にした面もあると思われます。
米国の通信事業者といえば、AT&T、ベライゾン、T-モバイル、そしてスプリントが思い浮かびますが、今後の5G時代の到来も踏まえて、まだまだ競争は激化しそうに思います。
以上が記事内で紹介されていたテクノロジー・セクターの動向です。当然、他にも注目すべきトピックは多く、また日々新しいトピックが生まれるのもこのセクターの特徴に思います。
それが面白くもあり、ちょっとギャンブルにも感じますが、今の米国の成長を象徴するセクターの一つなのは事実に思いますので、今後も動向には目を光らせておきたいと思います。