バフェット氏が率いるバークシャー・ハサウェイが米国証券取引委員会(SEC)に提出しているレポートの最新情報が公開されました。四半期に一度、現在の保有銘柄や売買状況がSECから公開されるので、毎度毎度楽しみにしています。
2017年9月末時点の保有株情報
新規または追加で購入された銘柄
新規購入では今回バンク・オブ・アメリカ(BAC)が買われました。正確には、もともと保有していた優先株を普通株へ転換しました。今回の転換により、バークシャーがバンカメの筆頭株主になるようです。
追加購入ではアップル(AAPL)が+3%ほど追加されました。あまり大きな追加投資ではありませんでしたが、バークシャーはここ最近アップルの買い増しを続けており、高い信頼を寄せていることが伺えますね。
その他、モンサント(MON)とシンクロニー・ファイナンシャル(SYF)もそれぞれ+10%、+19%ほど追加購入されました。モンサントは遺伝子組み換え作物の種で世界シェアの90%を占める企業です。シンクロニー・ファイナンシャルは前回の報告書(6/30)で新規購入が報告された消費者金融サービス会社ですね。
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売却された銘柄
やはり注目はIBMの売却ですね。この四半期で3割ほどのIBM株を売却していました。それでもまだバークシャーは3,700万株ほどIBM株を保有していますが、このまま売却を続けていずれはゼロにするつもりなのでしょうかね。
バフェット氏がIBMを売却すると株価が必ず下がってきましたので、今回も影響は避けられないのではと思います。
過去のIBM株売却時の記事
その他、チャーター・コミュニケーションズとウェルズ・ファーゴが一部を売却、WABCOホールディングスが全売却となりました。
ウェルズ・ファーゴはー0.8%程度ですのでバークシャーの保有数はほとんど変わらないですが、前回の報告書でもウェルズ・ファーゴは売却(ー2.4%)されてました。少しずつですが保有数は減少中ですね。
チャーター・コミュニケーションズはケーブルテレビ大手です。先日のTモバイルとスプリントの合併決裂の裏では、ソフトバンクはチャーターにスプリントの買収を持ちかけていたようです。結局はどちらも実現には至りませんでしたね。
ケーブルテレビ業界はNetflixやAmazon Prime Videoといったインターネット動画配信サービスにシェアを奪われ続けており、そのあたりが売却判断に影響したのかもしれませんね。
WABCOホールディングスは商用車用の制御システムの設計と製造を行う、ベルギーに本社を置く会社です。こちらは前回の報告書で98%ほど売却済みでしたので、今回はその残りをすべて売却したようですね。
まずは今回のニュースを受けてIBM株価がどう動くかが見ものです。IBMは前回の四半期決算後に株価が高騰していましたが今はすっかり元の株価に戻っており、ここからさらに下げるのかが要注目ですね。
前回までのウォーレン・バフェット氏の売買について
- 作者: メアリー・バフェット,デビッド・クラーク,井手正介,中熊靖和
- 出版社/メーカー: 日本経済新聞出版社
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