シェイク・シャックが2018年第1四半期決算を発表しました。決算内容は好調で、発表後に同社株価は+20%以上も高騰していました。その期待は同社のデジタル戦略にも向けられているようです。
- シェイク・シャック(SHAK)の2018年第1四半期決算
- チャートで見るシェイク・シャックの四半期決算
- 並ばずに買える、配達してくれる、レジ無し&キャッシュレス、シェイク・シャックのデジタル戦略に注目
シェイク・シャック(SHAK)の2018年第1四半期決算
https://seekingalpha.com/news/3352414-shake-shack-beats-0_06-beats-revenue
- EPS:0.15ドル(予想を0.06ドル上回る)
- 売上高:9,912万ドル(予想を278万ドル上回る)
- ガイダンス:2018年通期売上高 4.46〜4.50億ドル(前回発表の4.44〜4.48億ドルから引き上げ) 、既存店舗売上高 0〜1%増(前回発表の±0%から引き上げ)
シェイク・シャックの2018年第1四半期決算はEPS・売上高ともにコンセンサス予想を上回りました。
また2018年通期のガイダンスも引き上げられました。
その他の主な数値は以下のとおりです。
- 売上高は+29.1%の成長
- 既存店舗売上は+1.7%の成長
- Adjusted EBITDAは+32.8%の1,620万ドル
- 米国内5店舗、海外4店舗をオープン
全体的に好調な決算内容で、株価もそれに応えるように+20%以上の高騰でした。
チャートで見るシェイク・シャックの四半期決算
売上高、利益の比較(単位:千ドル)
シェイク・シャックの2018年Q1は、売上高が+29.1%と大きく成長しました。
営業利益率は少々下がったものの、営業利益・純利益ともにプラスの成長でした。シェイク・シャックの好調ぶりが伺えますね。
一方、売上高に対して営業利益が小さいのはそれだけ経費がかかっているからで、米国内売上に対して75%ほどが食材や紙などの材料費・人件費を含む店舗運用の費用となっていました。
米国内・海外ともに売上増加(単位:千ドル)
シェイク・シャックの売上内訳です。
現在のところ、売上の97%ほどを米国内の事業が占めており、海外のライセンス店舗等は3%ほどになっています。
前年同期比でみると、米国も海外も売上高が増加しており、それぞれ+29.6%、+16.7%の成長率です。特に米国内での成長がまだまだ鈍化していないのがすごいです。
米国内ではニューヨーク以外も店舗拡大中
決算資料からの抜粋ですが、店舗売上に占めるニューヨークの割合が年々減少しており、その他の地域の売上比率が増加していることが分かります。
少しずつですがニューヨーク以外の店舗比率を高めており、2018年Q1はニューストン、デンバーなど5店舗をオープンしました。
2018年はシアトル、サンフランシスコ、シャーロットなどで店舗オープンを予定しており、2018年中に米国内店舗数は122〜125店舗を予定しています。
店舗数の推移と成長率
17年時点で米国内90店舗のうち約8割の73店舗がニューヨークにあります。
店舗数の成長率を見ると店舗オープンの地域も今はまだニューヨーク中心のようですが、上で触れたようにその他地域の店舗数もさらに増えるでしょうね。
これからの海外展開はアジアに注力
米国内および海外のライセンス店舗の推移です。今のところ中東・トルコ・ロシア地域が最も店舗数が多いですね。
注目は日本・韓国の店舗数で、2016年から2017年にかけて倍増しています。
今後の3年間で香港・上海を含めたアジア地域での店舗拡大に注力していく予定です。
<スポンサーリンク>
並ばずに買える、配達してくれる、レジ無し&キャッシュレス、シェイク・シャックのデジタル戦略に注目
シェイク・シャックはデジタルを活用した新しい販売戦略にも積極的に投資しています。世の中の動きを意識した同社の将来像にもつながる施策です。
モバイルアプリで注文、受け取り時間も指定可能に
Let’s Get App-y! - Shake Shack
シェイク・シャックはその人気ゆえに行列に並ぶこともしばしばですが、新たにリリースしたモバイルアプリがその悩みを解決してくれそうです。
このアプリを使えば、モバイルで商品を注文し、希望の受け取り時間を入力すると、商品の準備ができ次第スマホにテキストメッセージで連絡してくれます。あとは店舗に足を運んで受け取るだけということで、外出予定に合わせて注文しておくなどすれば時間の節約にもつながりますね。
フード・デリバリー・サービスとの連携を開始
並ぶのは嫌、店舗に受け取りに行くのも無理、という方のためにシェイク・シャックはフード・デリバリー・サービスとの連携を始めました。
今のところ、Postmates、DoorDash、Caviar、Grubhubの4つのサービスでデリバリーに対応しているようです。
こうしたサービスとの連携で、今までリーチできていなかった客層にまで手を広げられることが期待できますね。今のところこの連携によりポジティブな売上増が見られているようです。
レジ無し&キャッシュレスの店舗をオープン
新たな店舗の取り組みとして、シェイク・シャックはニューヨークにレジ無し&キャッシュレスの店舗をオープンしました。
店舗のキオスク端末またはモバイル経由で注文をすると、商品の用意ができ次第テキストメッセージで連絡がくるので、あとは店舗で受け取る方式です。支払いはクレジットカードのみです。
先程のモバイルアプリと同様に店舗での時間短縮ができますし、従業員のコスト削減も期待できそうです。
一方でお客の声として現金で支払いたいという声も一定数あったようで、次の取り組みはキオスクとレジありの店舗を予定しているとのことです。
こうしたデジタル活用の取り組みはまだまだお試し中であり、そこから学んだことを次にフィードバックしていくことでデジタル戦略をより洗練させていくでしょうね。
すでに取り組みの幾つかは効果を出しており、こうしたデジタル・チャネル経由のオーダーは店舗でのオーダーより15%以上も多くなっているとのことです。
今後もデジタル活用で新たな顧客体験の創出を進めていくことでしょう。シェイク・シャックはProject Concreteと呼ばれる業務システム改築にも取り組んでおり、デジタル戦略と合わせてまだまだビジネス成長には大いに期待できそうです。