今年の5月にIPOしたばかりのプルーラルサイトの紹介です。
プルーラルサイト(Pluralsight)の概要
プルーラルサイト(Pluralsight)はプログラミングやビジネスなどのスキル・トレーニングをオンラインで提供するクラウドサービスです。
今年の5月にIPOしてナスダックに上場しました。ティッカーシンボルはPSです。
昨今、クラウドや人工知能、IoT、ビッグデータなど、新しいテクノロジーが次々に登場してきています。それらテクノロジーをいち早く武器に変えることが企業の高成長に不可欠になっているのだと思います。
企業としては自社のプログラマーや技術者のスキルが陳腐化しないようにトレーニング機会を提供する必要があります。プルーラルサイトは高品質なスキル・トレーニングをクラウドで提供することで、世界中の企業に対していつでもどこでもアクセス可能なトレーニング・サービスを実現しています。
現在プルーラルサイトが提供するオンライン・コースは6,700以上あり、平均して80コースが毎月追加されています。
受講者数は2017年12月末時点で69万5千人おり、世界の150カ国以上で利用されています。
企業による採用も積極的に進めており、フォーチュン500の6割(300企業)がプルーラルサイトを利用中で、現在のビジネス顧客数は14,000を超えるまでになりました。
スキル・トレーニングのサービスで重要なのはコンテンツの質ですね。
プルーラルサイトでは各業界で著名な1,400名ものプロフェッショナルがコンテンツを作成しています。
2012年12月末ではそういったコンテンツ作成者は100名少々でしたが、2018年3月末時点で1,400名以上にまでそのネットワークを拡大してきました。
質の高いコンテンツが受講者を呼び、多量の受講者を抱えるプラットフォームが新たなコンテンツ作成者を呼び込む、ネットワーク効果も働いていそうですね。
IPO後の初値は20ドルでしたが今は25ドル付近で上下しています。ハイテク銘柄は最近はボラティリティが高く、値動きには要注意ですね。
<スポンサーリンク>
データで見るプルーラルサイト
売上高の推移(単位:百万ドル)
プルーラルサイトの売上高等の推移です。
2017年の売上高は1.67億ドルでした。前年同期比で+27%の成長です。
粗利益は1.24億ドル、粗利益率は74%でした。こちらの成長率は26%です。
フリーキャッシュフローは-2,000万ドルでした。
企業でのプルーラルサイト採用は順調に成長
ビジネス顧客数の推移を見てみます。
2015年では10,517顧客でしたが2017年は14,463顧客にまで増加しました。
ビジネス顧客数の成長率は2016年の+15%から2017年は+20%に増えました。
企業へのサービス導入が加速していますね。
サービスの請求額も増加中(単位:百万ドル)
個人ユーザとビジネス顧客からの請求額の推移です。
2017年は全体で2億ドルほどの請求額となり、そのうち1.63億ドルがビジネス顧客からの請求額でした。およそ8割ほどをビジネス顧客が占めていますね。
請求額全体の成長率は2017年は+38%で、一方のビジネス顧客からの請求額は+55%の増加でした。企業への導入が進み、またアップセル等により既存企業からの請求額も増加していることが伺えますね。
ビジネス顧客請求額の年別のコホートがSECファイリングにありました。
例えば2014年コホートは2014年1月1日から2014年12月31日の間に最初のサブスクリプションを支払ったビジネス顧客です。
その各年の顧客に対する請求額が各年でいくらになったかの推移ですね。年が経るごとにコホートの帯が広がっているのは、既存顧客からの請求額が年々増加していることを示します。
2013〜2016年の各コホートの2017年の請求額は、それぞれ下記のように増加したとのことです。初期の顧客は既に3倍近く請求額を増加できていますね。
- 2013年コホート:2.8倍
- 2014年コホート:2.0倍
- 2015年コホート:1.5倍
- 2016年コホート:1.1倍
今後も新しいテクノロジーやビジネススキルは次々と登場してきますし、そのスキル習得へのニーズは無くなることはないでしょう。
プルーラルサイトのようなスキル・トレーニングを提供するサービスの重要性がますます高まりそうです。もしかしたら子供や学生の教育といった分野にも手を伸ばせるかもしれませんね。
プルーラルサイトはまだまだ若い企業ですので今後の事業動向には注意が必要ですが、成長性の高い企業として投資機会を伺っていきたいと思います。
関連記事
プルーラルサイトの決算が良かったので投資しました。