ホーム・デポ(HD)が2018年第1四半期決算を発表しました。残念ながら売上高が予想に届かず、株価を下げる結果となりました。
ホーム・デポ(HD)の2018年第1四半期決算
- EPS:2.08ドル(予想:2.05ドル)
- 売上高:249.5億ドル(予想:251.6億ドル)
- ガイダンス:2018年通期 EPS 9.31ドル(予想:9.39ドル)、売上高 1,076億ドル(予想:1,077.7億ドル)
住宅リフォーム・建設資材の小売チェーン大手ホーム・デポの2018年第1四半期決算はあまり良くなかったですね。
EPSはコンセンサス予想を上回るものの売上高が予想に届きませんでした。
さらに年間のガイダンスも予想にちょっと届かず、全体的に残念な内容でした。
取引開始後にはホーム・デポの株価は-1.8%ほど下げて始まりました。
チャートで見るホーム・デポの2018年第1四半期決算
売上高、利益の比較(単位:百万ドル)
ホーム・デポの2018年Q1の売上高は前年同期比で+4.4%の約249.5億ドルでした。
各利益もプラスの成長となりましね。
粗利益率は1%上昇し、営業利益率は横ばいでした。
店舗売上の成長率は予想を下回る結果に
ホーム・デポ全店舗と米国店舗の売上高成長について、実績と予想を比べました。
全店舗、米国店舗ともに予想を下回る売上高成長だったようです。-1%以上も予想と剥離してしまいました。
その原因として、予想よりも長く続いた冬の影響があったとのことです。結果、春のガーデニングのための肥料や芝刈り機、庭先の椅子や机といった商品の売れ行きが鈍ったみたいですね。店舗への来店者数も-1.3%の減少でした。
このガーデン関連の商品は売上高の15〜20%を占めるそうで、予想外の天気の影響が大きかったようですね。
その売れ行き減少の影響か、一部の春向け家具は最大30%オフとなってました。
ただホーム・デポの発表によれば、4月に遅れの出た春商品の売上高については第2四半期にずれこむ見込みで、既に5月の売上は2桁ペースで伸びているとのことです。
ちょっと予想外の天気に悩まされましたが、消費者の需要が減少しているわけではないのでこの第2四半期中に回復するのではと思います。
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ホーム・デポの今後を占う米国住宅市場の行方
住宅リフォームや建築資材等を扱うホーム・デポにとって、米国の住宅市場の行方は非常に重要ですね。
米国の住宅販売は9割が中古住宅なため、中古住宅を売るための修繕や、中古住宅購入後のリフォームや家具購入など、中古住宅市場が盛り上がるほどホーム・デポの需要も増えるでしょうね。
また住宅価格の上昇も消費行動に大いに影響を与えます。それを「資産効果」と呼ぶようです。
資産効果とは、資産価格の上昇によって人々の消費行動が促進される効果のことです。資産価格が上昇すると、資産を持つ人々は自分が豊かになったと感じ、景気の先行きに対しても前向きな気持ちになります。そしてたくさん買い物をするようになります。
中古住宅販売件数は上昇中だが・・・
全米不動産協会(NAR)が毎月発表する中古住宅販売件数(百万戸)の結果と予想の推移です。
ここ3ヶ月ほどを見ると中古住宅販売件数が予想を上回る上昇傾向にあるようですね。これはホーム・デポにとっては追い風でしょう。
一方で、中古住宅の供給不足と、それに伴う住宅価格の高騰が問題になっている側面も出てきました。
中古住宅市場は深刻な供給不足に直面している。低価格帯の住宅では特に顕著だ。供給不足により住宅価格は上がっており、同時に住宅ローン金利も上昇している。初めての住宅購入者にとって高すぎて買えない状況となっている。
先ほど紹介の資産効果に照らし合わせれば住宅オーナーの消費は増えそうですが、このままでは住宅販売件数の鈍化が気になりますね。
また住宅ローン金利も4月末で4.58%と高水準となり、住宅販売への影響がやはり気になります。
米連邦住宅貸付抵当公社(フレディマック)によると、期間30年の固定型住宅ローン金利は4月末に4.58%となり、4年8カ月ぶりの水準となった。17年末からの上昇率は約0.6ポイントとFRBの利上げ幅より大きい。
ホーム・デポとしては今回の決算発表を挽回する機会が欲しいところですね。
消費者のリフォーム需要は引き続き高そうですが、一方で住宅市場の行く末に少々不安な面も見えてきてますので、次の決算での内容に期待しておきましょう。
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