2017年も色々な投資銘柄からの配当金を受け取りましたが、世界の配当金総額はなんと1兆2500億ドルにもなっていました。2018年も配当金総額は増加する見込みのようです。昨年に最も多くの配当金を払った会社はどこだったのでしょう?
2017年の配当金総額、1兆2500億ドルに!
資産運用会社ジャナス・ヘンダーソン(JHG.N)は19日、世界の配当金総額が昨年は前年比7.7%増の1兆2500億ドルとなり、過去最高を更新したと発表した。世界的な好景気と企業の景況感改善が配当を押し上げた。
2017年は米国株は絶好調でしたが、配当金も好調だったようです。2017年は世界の配当金総額が前年比7.7%増の1兆2500億ドルとなったそうで、想像できない規模の金額が投資家に支払われていたんですね。
地域別では米国だけでなく、日本、スイス、香港、台湾、オランダを含む11カ国で過去最高の配当金となりました。
ジャナス・ヘンダーソンによると、世界の配当金総額は2018年も7.7%増えて過去最高の約1兆3500億ドルになる予想とのことです。配当金重視の投資家にとっては2018年も楽しい1年になりそうです。
ジャナス・ヘンダーソン発表のGlobal Dividend Index
ジャナス・ヘンダーソン発表の情報であるGloba Dividend Indexはコチラから参照できます。
この資料に記載のデータをもうちょっと詳しく見てみましょう。
地域別の配当金(単位:億ドル)
地域別にみた2017年の配当金総額です。トップはやはり米国で、配当金は4381億ドルでした。日本円だとおよそ46.7兆円にもなります。
地域別の割合でみると、米国が世界全体の約4割を占めていますね。やはり配当重視で投資をする際には米国は最重要国となりそうです。
地域別の配当金額の成長率
2016年からの配当金の成長率を地域別に見てみると、まずカナダの成長率の高さが目立ちますね。レポートによれば特に金融セクターの配当金が成長を牽引したようです。
次に大きな成長率を示したのはアジア太平洋地域です。この地域を国別に見ると下記の成長率となりました。
シンガポールだけ配当金がマイナス成長でしたが、他の国は20%前後の大きな成長率ですね。
最も大きな成長率の香港は、主に中国移動(チャイナモバイル)によるものです。中国移動は2017年の配当金トップ10にランクインする企業でした。
その他の各国の成長を牽引した主な企業は下記の通りです。
- 台湾:台湾セミコンダクター・マニュファクチャリング・カンパニー、フォモルサ・ペトロケミカル
- 韓国:サムスン
- オーストラリア:BHPビリトン、リオ・ティント
セクター別の配当金(単位:億ドル)
続いてセクター別の配当金総額を見てみましょう。2017年の配当金が最も大きかったセクターは、2933億ドルの金融セクターでした。ちょっと意外に思いましたがそれだけ企業の母数が多いということなのでしょうかね。
次いで生活必需品、エネルギーと続きますが、この1000億ドル前後に多くのセクターが集中していました。
最も低かったのは素材セクターですが、公益事業も同じくらい低かったのはこちらも意外に感じました。あくまで配当金総額の比較ですので、公益事業会社の母数はそれほど多くないことがこの結果となっているのでしょうね。
ご参考にセクター別の割合比較です。トップの金融セクターが全体の26.4%を占めていました。
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2017年の配当金ランキング・トップ20
最後に2017年の配当金ランキングのトップ20をご紹介します。なお括弧内は2016年のランキング、後ろはセクターとなります。(緑:ランクアップ、赤:ランクダウン、黒:変化なし)
- ロイヤル・ダッチ・シェル(1位):エネルギー
- 中国移動(19位):通信事業
- エクソン・モービル(2位):エネルギー
- アップル(3位):テクノロジー
- マイクロソフト(5位):テクノロジー
- AT&T(4位):通信事業
- HSBCホールディングス(6位):金融
- 中国建設銀行(7位):金融
- ベライゾン(8位):通信事業
- ジョンソン&ジョンソン(10位):ヘルスケア
- GE(9位):資本財
- シェブロン(11位):エネルギー
- オーストラリア・コモンウェルス銀行(12位):金融
- BP(15位):エネルギー
- ファイザー(16位):ヘルスケア
- ウェルズ・ファーゴ(13位):金融
- JPモルガン・チェース(20位):金融
- ノバルティス(17位):ヘルスケア
- ネスレ(14位):生活必需品
- P&G(18位):生活必需品
配当金トップの企業は、2年連続でロイヤル・ダッチ・シェルでした。 高配当で有名なオイルメジャーですね。2年連続1位は立派な記録に思います。
2位は昨年19位から一気に急上昇した中国移動でした。先程の地域別チャートでも触れましたが、香港の成長を牽引した企業が中国移動でした。この影響でエクソン・モービルやアップルといった多くの企業がランクを下げていますね。
ランキングが不動だったのはロイヤル・ダッチ・シェル、マイクロソフト、ジョンソン&ジョンソンの3企業で、ランクアップしたのは中国移動、BP、ファイザー、JPモルガン・チェースの4企業でした。
ちなみにトップ10の企業だけで世界の配当金の9.6%を占め、トップ20で15.7%を占めるようです。
そして昨年ランキングを見ても分かる通り、トップ20に含まれる企業は2016年と2017年で変わりませんでした。その順位が色々と変わっただけでしたね。配当重視の投資が好きな方はぜひこのトップ20の企業を気にかけるのが良さそうです。
ただGEは減配を発表してますので2018年のランキングに残るかどうかは微妙ですね。
トップ20のセクター別企業数
トップ20に含まれる企業のセクター数です。配当金でもトップだった金融セクターが5企業で最も多かったですね。次いでエネルギーの4企業、ヘルスケアと通信事業の3企業となりました。
2018年も世界の配当金総額は増額の予想とのことですので、これらレポートの結果を参考にしながらじっくり投資先を検討していきたいと思います。
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