Facebookが2018年第1四半期の決算を発表しました。利用者データの問題で揺れる同社ですが、決算内容からは広告主の変わらぬ支持が感じられました。
Facebook(FB)の2018年第1四半期決算
Facebook beats by $0.36, beats on revenue - Facebook (NASDAQ:FB) | Seeking Alpha
- EPS:1.69ドル(予想を0.36ドル上回る)
- 売上高: 119.7億ドル(予想を5.6億ドル上回る)
Facebookの2018年Q1決算はEPS・売上高ともにコンセンサス予想を上回る好決算でした。
利用者データ問題が同社のビジネスにどう影響を及ぼしたかを占う大事な決算発表でしたが、結果的には広告主は依然としてFacebookというプラットフォームを見放していませんでしたね。
今回の決算では売上高に占めるモバイルの割合は91%でした。
またデイリー・アクティブ・ユーザ(DAU)は14.5億人(+13%)、マンスリー・アクティブ・ユーザ(MAU)は22億人(+13%)でした。
さらにFacebookは90億ドルの新規資金を自社株買戻しに投入すると発表しています。
チャートで見るFacebookの四半期決算
売上高、利益の比較(単位:百万ドル)
Facebookの2018年第1四半期は、売上高は+49%で119億ドルでした。非常に高い成長率です。
営業利益は+64%の54億ドル、純利益は+63%の49億ドルと、どちらも60%以上の高成長となりました。
営業利益率は46%で前年同期比で+5%の上昇でした。
売上高、広告収入の推移(単位:百万ドル)
Facebookの売上高の97〜99%は広告収入から生み出されています。
広告収入の推移を見ると、Q1が最も少なく、Q4にかけて広告収入が伸びるパターンですね。広告費とはそういうものなんですかね。
2018年Q1は広告収入はおよそ118億ドルで、前年同期比で+50%の成長でした。パターンに従えば次のQ2では広告収入はさらに伸びるかもしれませんね。
広告収入の成長率は2016年Q2をピークに減少傾向にありましたが、今回の決算が成長率の上向きの兆しとなるかがポイントでしょう。特に利用者データ問題の影響が本当に払拭されたかどうか、次のQ2の決算も要注目ですね。
DAU、MAUの推移(単位:百万人)
ワールドワイドでのDAUとMAUの推移です。
2018年Q1はDAUが+13%の1.45億人、MAUが+13%の2.2億人でした。着実に毎期ごとにアクティブユーザ数が増加していますね。
地域別DAU
地域別MAU
地域別に見ると、米国と欧州はそろそろ成長が頭打ちになりそうです。とはいえ今回の2018年Q1では米国・欧州ともDAUとMAUが微増してましたから、まだ成長の余地は残ってはいるのでしょう。
米国でのアクティブユーザの増加にはInstagramも重要な要素となったとのことです。
対してアジア太平洋地域とその他地域はまだまだアクティブユーザの成長は続きそうですね。この地域のユーザ数をどこまで伸ばせられるかが将来の広告収入に大きく影響するでしょうね。
地域別のユーザ平均単価
広告収入が売上のほぼ全てを占めるFacebookにとって、ユーザ平均単価(ARPU)は重要な指数です。
今回の決算では、ワールドワイドのARPUも地域別ARPUも前期からちょっと下がっていました。ただアナリスト予想でもARPUの減少は折り込み済みでした。
ARPUの大きさでは北米がやはり最も大きいですね。今後もユーザ数増加が見込めそうなアジア太平洋地域とその他地域のARPUをどう伸ばしていくかに期待したいところです。
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GDPRの影響は?
EUの個人データ保護に関する規則である「EU一般データ保護規則(GDPR)」が今年の5月25日より提供されます。
個人データを扱うFacebookとしてもその影響は避けられないとして、DAU・MAUがQ2はフラットまたは減少に転じるかもしれないと発表しています。
4〜6月期のQ2決算を見てみないとなんとも言えませんが、欧州のアクティブユーザ数が特に大きく影響を受けるのでしょうね。
広告収入の成長が上向きかけてきた時ですので、その勢いをなんとかキープできると良いのですが。とにかく期待しておきたいと思います。
今回の好決算を受けて、Facebookの株価は時間外取引で+7%と高騰しています。
年始から株価は減少傾向にありましたので、今回の好決算を機になんとか元の株価水準まで戻って欲しいところです。
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