様々な業界がAmazonの進出に警戒している昨今ですが、次に破壊に乗り出すのは医療業界と広告業界かもしれません。
BUSINESS INSIDERのイベント「シリコンバレー 逆風の真実」に参加
businessinsider-20180607.peatix.com
今日はBUSINESS INSIDERのトークイベント「シリコンバレー 逆風の真実」に参加してきました。
今回のイベントは、題して「Facebook、Uber、テスラ不信はどこまで? シリコンバレー逆風の真実」。仮想通貨やブロックチェーン、AI関連のニュースに沸いた2017年でしたが、ここ数カ月はさまざまな「逆風」が吹き荒れてもいます。
ケンブリッジ・アナリティカに端を発するFacebookの情報流出問題、自動運転試験中の事故やセクハラ騒動で揺れるウーバー、同じく自動運転がらみ生産の不調が伝えられるテスラモーターズ、さらにブロックチェーン/仮想通貨ベンチャーたち。 こういった代表的な企業に対して吹き荒れる逆風は、果たしてどこまでが「本当」なのでしょうか。シリコンバレーのエンジニアやベンチャーキャピタリストは、これらのニュースをどう捉えているのでしょうか。
シリコンバレーでご活躍されているコンサルタント、渡辺千賀さん、奥本直子さんのお二人が、昨今のシリコンバレーの様々なトピックについてトークしてくれるイベントです。
お二方とも非常に見識が広く、どのトピックについても日本ではあまり知りえない情報を交えつつ解説してくれて、大変参考になりました。
イベントのレポートは後日にBUSINESS INSIDERに掲載されるそうですので、興味ありましたらそちらをチェックしてみてください。
次にAmazonが進出するのは医療と広告?
イベントの後半は会場からの質問に答えるQ&Aセッションで、そのうち1つが「Amazonが次にディスラプトする業界は?」というものでした。
それに対してお二方とも「医療と広告!」と即答されてましたね。
医療:バークシャー・ハサウェイとJPモルガンとともにヘルスケア会社を立ち上げ
今年の1月に上のニュースが報じられたのは記憶に新しいですね。
記事によれば当面は自社の従業員向けに医療や福利厚生等を提供する目的のようですが、いつそれが米国民相手に向き直るか医療・保険業界は戦々兢々としているでしょう。
お二人のトークによれば、このニュースが報じられただけで医療・保険関連銘柄が大きく株価を下げ、数兆円規模で時価総額が吹き飛んだそうです。それだけAmazonに睨まれることは文字通り破壊を意味するのでしょうね。
もしAmazonが医療・保険に本腰を入れれば、Amazon Prime会員だけ受けられる医療サービスが出てきても不思議ではないと思ってしまいます。
ただ米国の医療制度や保険は日本とは大きく異なりますので、仮に米国で成功したとしてもすぐに他国でも展開できるサービスになるとは限らないとのことです。また米国内でも医療に進出するには5〜10年くらいはかかるだろうと述べられていました。
いろいろと面倒の多そうな米国でまず医療関連サービスを始めることで、他国ではより容易に進出できるかもしれない、という面もあるようです。
広告:新たな新たな広告ツールを試行中
イベントの時間の都合でAmazonの広告進出については触れられませんでしたので、関連記事のご紹介です。
新たな広告ツールは、アマゾンのオンラインマーケット市場に出品する販売業者が広告枠を買い、買い物客を追跡してアマゾンに戻って買うよう促すことができるもの。事情に詳しい複数の関係者によると、同社は今月中に新広告ツールを試行するため特定の販売業者に参加を呼び掛けている。
詳細はわからないものの、Amazonはデジタル広告の分野に本腰を入れ始めたようですね。
広告といえばGoogleとFacebookというイメージですが、そこにAmazonが加わって三つ巴になるのでしょうか。
いずれにせよ、膨大な消費者データを持つAmazonなら参入自体は容易にできるでしょうね。
Amazonによる医療業界と広告業界のディスラプトが近々起こるのか、しっかりウォッチしていきます。