アマゾンがホールフーズ・マーケットを買収したとのニュースが飛び込んできました。
アマゾンにとって過去最高額の買収になったようです。
買収額は137億ドル!
電子商取引大手の米アマゾン・ドット・コムは自然食品スーパーマーケットチェーンを運営するホールフーズ・マーケットを137億ドル(約1兆5200億円)で買収する。アマゾンにとっては過去最大規模の買収となる。同社は食料雑貨分野への参入を強化している。
買収額は137億ドルとのことで、アマゾンによる食料雑貨分野への参入がいかに本気であるかが窺い知れます。
ホールフーズ・マーケット側はといえば、つい先日まで身売りに対して否定的な意見をCEOが述べていました。
自然食品スーパーマーケットチェーン、米ホールフーズ・マーケットのジョン・マッケイ最高経営責任者(CEO)は、株主であるジャナ・パートナーズが同社に身売りを迫り利益を得ることだけに関心を持っているとして、「欲深い嫌なやつ」と批判した。
一方で、あまり好調とはいえない業績に対して株主からの圧力が高まっていたのも事実のようです。
そんなホールフーズだが、売上高は2年近く減少し、業を煮やした株主から受ける圧力は強まっている。
当のアマゾンは昨年の秋頃からホールフーズの買収を検討していたとの話もあるようです。戦略的に時間をかけて考え込まれた買収なのだと思わされます。
米アマゾン・ドット・コムは昨年秋に米ホールフーズ・マーケットの買収を検討したが、実際には動かなかった。事情に詳しい関係者が明らかにした。アマゾンはホールフーズの買い手候補と考えられている。
非公開情報であることを理由に関係者が匿名を条件に語ったところでは、アマゾンはホールフーズ買収が食料品販売ビジネスの活性化に役立つか検討したという。
そんな両社の連携は、多くの点でメリットがあるようです。実に相性の良い買収に思えます。
- ホールフーズの顧客は高学歴でリテラシーが高く、デジタル世代の、裕福層を中心としたカスタマーなので、アマゾンとの親和性は高い
- ホールフーズのデジタルマーケティング戦略の展開もアマゾンとの親和性が高い
- アマゾンの生鮮食料品の宅配ビジネスについては、ホールフーズのチャネルを利用可能
アマゾン自身はアマゾン・フレッシュという生鮮食料品の宅配サービスを持っていますので、そちらの強化としてホールフーズの持つリソースの活用が期待されます。
その買収のニュースを受けて、ホールフーズ自身の株価も急増しています。今現在で約27%プラスとなっていました。
以前に小売業の勝ち組について述べたバロンズ記事を紹介した際に、アマゾンが実店舗ビジネスへと手を伸ばしていることに触れました。今回のホールフーズの買収も、その一環ではないかと考えたくなります。
Netflixとの熾烈なオリジナル・コンテンツ競争の合間にもしっかりと他の分野の強化も怠らない、流石アマゾンと言いたくなる英断に思いました。勢いのある企業は違いますね。