ジョンソン&ジョンソンの2017年第4四半期決算が発表されました。数字の上では好調な決算だったようですが、先日のIBMと同じように株価が下がってしまいました。株価下落の原因はなんなのでしょう?
ジョンソン&ジョンソン、第4四半期決算
- 売上高:202億ドル(予想:200.8億ドル)
- EPS:1.74ドル(予想:1.72ドル)
- ガイダンス:2018年通期EPS 8.00〜8.20ドル(予想:7.88ドル)、2018年売上高 806〜814億ドル(予想:807億ドル)
ジョンソン&ジョンソンの第4四半期決算は、売上高、利益(EPS)、ガイダンスともに予想を上回る好調な内容でした。
2017年通期の決算も消費者向け製品、医療用医薬品、医療機器の各部門で売上高は増収でした。
しかしながら決算発表後の同社の株価はガクッと下がってしまいました。市場の評価はなかなか厳しいものだったようです。
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ジョンソン&ジョンソンの株価が下がった理由は?
パっと調べたところ、いくつかの要因で嫌気となったみたいですね。
税制改革の影響で最終損益が赤字
米国の新税制の影響で、四半期決算は最終損益が107億ドルの赤字となりました。ただこの影響は一時的なもので、長期的には法人減税による利益の底上げ効果が期待できるとのことです。
主力製品の売上が減収
ジョンソン&ジョンソンの主力製品である関節リウマチ薬「レミケード」と糖尿病治療薬「インボカナ」が四半期決算では減収となりました。それぞれマイナス9.7%とマイナス28%の減収です。
バイオシミラーや廉価品の競争により減収となったようですね。新薬の販売が好調なのが幸いですが、主力製品の弱体化はやはり気になるところです。
主力製品の特許無効化
直接的には四半期決算とは関係ないですが、主力の「レミケード」の特許無効判決も株価下落に影響を与えたようです。
さらにその1週間前には抗がん剤「ザイティガ」も特許無効との判断を特許商標庁の特許審判部が示していました。この2週間で主力製品2つの特許を失ったことが懸念材料となったみたいです。特に「ザイティガ」は四半期決算で+45.5%の大きな増収を記録していましたので、特許無効により他社の後発医薬品などが市場に出始めると大きな痛手となるでしょうね。
むしろ買い増しのチャンスでは?
色々と懸念材料があるため株価が下がったようですが、業績自体は好調ですし2018年通期のガイダンスも予想を上回るものですから、あまり大きな心配はいらないと思います。
むしろ久々に訪れた買い増しのチャンスなのかもしれませんね。この下げトレンドが昨日だけのものか、しばらく続くのか、ちょっと様子を見てみたいと思います。