ペプシコ(PEP)の2017年第3四半期決算が発表されました。内容的には好調とは言えない状況のようですが、それを打開するための注力分野の一つがEコマースとなりそうです。
ペプシコ(PEP)の2017年第3四半期決算
- EPS:予想$1.43に対し$1.48・・・○
- 売上高:予想163.5億ドルに対し162.4億ドル・・・×
- ガイダンス:2017年のEPSは予想$5.16に対し、新ガイダンス$5.23・・・○
決算内容は売上高がアナリストのコンセンサスに届きませんでした。米国の健康ブームのトレンドを意識しすぎた結果、ペプシコの炭酸飲料の売上が伸びなかったようです。
決算発表後の株価
10月4日の決算日に一瞬株価が急落しましたが、その後は持ち直して元の株価へ戻っています。マーケットとしては大きく失望はしなかった一方で、買いに走るほどの好材料が無かったという判断でしょうか。
決算発表の場での発言内容を読んでみました
ペプシコの決算発表の発言内容を一通り目を通しました。英語の勉強にもなって一石二鳥ですね!
ゲータレードの不調は天候が原因
ペプシコの抱えるブランドの一つであるゲータレード(Gatorade)は第3四半期の売上の5分の1を占めるそうですが、過去2年の第3四半期の決算では好調でしたが今回は売上が減少したようです。
その原因として、過去2年と比べて天候が悪かった点を挙げています。スポーツ飲料であるゲータレードとしては、スポーツする機会が減少すると売上に大きく影響するのでしょう。
ペプシコとしてはこの影響は一時的なものと考えているようです。大企業と言えど天候を操作することはできないですしね。
健康志向トレンドに注力しすぎた?
最近の米国では健康志向を反映してか炭酸飲料離れが進んでいるようです。ペプシコとしてもこのトレンドに対応すべく、ゼロ・カロリーやゼロ・シュガーの飲料に注力し始めました。
その結果、既存のブランドであるペプシ・コーラやマウンテンデューのシェアを犠牲にする形で、これらの新しいけどまだまだ弱い製品に宣伝等のコストをかけてしまったようです。彼らが思っていたほど健康ブームは浸透していないのでしょうね。
今後はこれら健康志向の飲料への注力と同様に、既存の強いブランドであるペプシ・コーラとマウンテンデューへのマーケティングも強化するとのことです。
食料品は比較的好調
ペプシコはドリンクだけでなく食料品でもトップブランドをたくさん抱えています。第3四半期はフリトレーやチートス、Rufflesといったブランドの新製品が好調だったようです。チートス・ハラペーニョ味、食べてみたいです。
またSimplyという名のオーガニック食材を意識した原料のシリーズを追加することで、こちらも売上成長に貢献してくれたようです。こういった食料品はホール・フーズのような自然食品スーパーのチャネル開拓も視野に入れているとのことです。
Eコマースへの注力をさらに強化!
ペプシコではEコマース・チャネルでの成長が大きいようです。CEOはEコマース強化のため専門家からなるチームを組織してあたっているとのこと。
So today, we have a team of roughly 200 e-commerce professionals supporting our businesses to capture growth in the rapidly emerging e-commerce channels.
急速に発展しているEコマース・チャネルの成長を掌握するため、約200名のEコマース専門家からなるチームが我々のビジネスを支えています。
ペプシコ内ではこのチームの働き方や働く場所、リスクのとり方など、ある種のテック・カンパニーのように運用しているとのことで、ペプシコ内にお抱えのシリコンバレーのスタートアップがいるような感じでしょうか。
Eコマースの年間売上は10億ドルのビジネスに成長する予定で、ペプシコ全体の年間売上が600億ドルを超えることを考えるとまだまだ小さいビジネスですが、ビジネス成長率は大きくなると予想されており、米国で80%の成長、中国ではほぼ倍増する見込みとのことです。
配当金は連続増配45年に!
Recall that we previously announced a 7% increase in our quarterly dividend that began with the June payment. This represents the 45th consecutive year in which we have increased our dividend and share repurchases of approximately $2 billion.
ペプシコは既に配当金の7%の増配を発表しており、これで連続増配は45年となりました。ライバルのコカ・コーラは連続増配50年を超えていますから、ぜひペプシコも50年超えの配当王を目指して頑張って欲しいです。
今のところ大きな心配事は無さそう?
ペプシコの第3四半期は完璧な内容では無かったです。特に北米での売上低下が今後どう回復するかが気になります。
一方で彼らも状況をただ見ているだけではありませんし、既にいくつか手は打っているようです。健康トレンドにのっての商品開発は継続しますし、既存ブランドのマーケティングも同様です。専属チームを率いての成長著しいEコマース・チャネルへの参入も強化していくでしょう。もちろん競合他社も黙って見てくれはしないでしょうけど、ペプシコには長年培ってきた強力なブランドがありますね。
飲料会社のビジネス戦略については、今月末の25日に予定されているコカ・コーラの決算発表もぜひ参考にしたいところです。今のところペプシコに大きな心配はしていませんが、コカ・コーラの考えるビジネス環境や阻害要因の認識の相違点を参考に今後の投資を考えます。場合によってはまだ保有していないコカ・コーラへの投資をしてみてもいいですね。
連続増配45年も非常に魅力です。長期保有を前提に投資を考えていますので、こういう銘柄は継続して投資したくなります。株価は割安とは言えませんが少し値を下げているうちに買い増しを検討してもよいかもしれませんね。