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企業研究:NPSで企業の将来を占ってみる

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企業と顧客の関係性を測る指標としてNPSと呼ばれるものがあります。永く存続する企業を見定める際に、このNPSも重要ではないかと考えています。今回は気になる各社のNPSを見ることで、企業の将来を占ってみようと思います。

NPS(Net Promoter Score)とは?

NPS(Net Promoter Score)とは、顧客ロイヤルティを測るための指標であり、Fred Reichheldによって提唱されました。

参考:ネット・プロモーター・スコア - Wikipedia

NPSを測る方法は非常にシンプルです。商品やサービスの顧客に対し、下記の質問に答えを10段階で選んでもらうだけです。

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次に、回答者が選んだ10段階にもとづいて、下記の3つのグループに分類します。

  • 9〜10:推奨者(Promoter)・・・ロイヤルティが高い熱心な顧客。自らが継続購入客であるだけでなく、他者へサービスを勧める『推奨』の役割も担う。
  • 7〜8:中立者(Passive)・・・満足はしているが、それ程熱狂的ではなく、競合他社になびきやすい。
  • 1〜6:批判者(Detractor)・・・劣悪な関係を強いられた不満客。放置しておくと悪評を広める恐れがある。

 

最後に、9〜10を選んだ推奨者の割合と1〜6を選んだ批判者の割合の差を計算することで、その値がNPSとなります。

  • NPS=推奨者の割合ー批判者の割合

例えば10人の顧客に対してアンケートを取った場合、9〜10を選んだ推奨者が4人(40%)で、1〜6を選んだ批判者が2人(20%)だったならば、NPSは

  • NPS=40ー20=20

でNPS=20となります。平均的にはNPSが12ポイント増加すると、企業の成長率が倍増すると言われるようです。

 

NPSと企業の成長率の関係

こちらの記事で主要な航空会社のNPSと5年間の収益成長率の関係を示すチャートがありましたので引用させてもらいます。

www.certain.com

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横軸にNPS、縦軸に収益成長率をプロットしたチャートです。全体的に、NPSと収益増加率の間に正の相関関係が見て取れると思います。因果関係を説明できるまでのデータはここにはありませんが、仮説として「顧客ロイヤルティの高い(=NPSの高い)商品やサービスを持つ企業は、収益成長率も高い」という説明が成り立ちそうです。

ここで気をつける必要があるのは、業界ごとにNPSの平均値が異なる点です。そのため基本的には、同じ業界・セクターの企業間で優れた顧客ロイヤルティを持つ企業はどれかを相対的に比較する指標と言えます。

上の航空業界では、Wikipediaによれば業界平均NPSは15とのことで、たしかに15付近に多くの企業が重なっており、サウスウエスト航空のNPSおよび収益成長率の高さが際立っているのがわかります。

 

各社のNPSを見てみる

NPSを計測するのは難しいため、ネットで公開されているデータを参照します。今回は下記のベンチマークを参照しました。

customer.guru

 

日用品

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Consumer Brands / FMCG Net Promoter Score 2017 benchmarks | Customer.guru

コカ・コーラとペプシはどちらも20ですね。トップは化粧品のエイボンで52でした。

先日の記事でも触れましたウォルマートは37。コストコは別のカテゴリでしたが79で、先のWikipediaを見ますと「百貨店、卸売、専門店」は46とのことですので、ウォルマートがちょっと顧客ロイヤルティの点で心配です。

 

金融サービス

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Financial Services / Banking Net Promoter Score 2017 benchmarks | Customer.guru

米国の4大メガバンクを見てみますと、ウェルズ・ファーゴが-12、JPモルガンが8、バンク・オブ・アメリカが-24、シティ・グループが18と、結構ばらついていました。ただどれも顧客ロイヤルティは高いとは言えないようです。

 

ファストフード

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Consumer Brands / Fast Food Net Promoter Score 2017 benchmarks | Customer.guru

ファストフードは5社のみですが、マクドナルドの低さ(-8)が目立っていました。ブランドの回復に注力しているところと思いますので、今後の顧客ロイヤルティに注目です。

 

通信サービス/ケーブルテレビ

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Telecommunications / Cable/TV service Net Promoter Score 2017 benchmarks | Customer.guru

通信サービスではAT&Tが15、ベライゾンが7となっていますね。ケーブルテレビではディレクTVがトップの12でした。業界としては全体的にマイナスが多いのが気になります。

 

タバコ

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Tobacco Net Promoter Score 2017 benchmarks | Customer.guru

タバコも少数の6社です。フィリップ・モリスがダントツでNPSは16でした。電子タバコの普及によってNPSに変化が起こるのかが興味深いです。

 

ネットワーク機器・サービス

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Network and Other Communications Equipment Net Promoter Score 2017 benchmarks | Customer.guru

個人的に注目しているシスコシステムズは-8とNPSは低めでした。トップはコムスコープの16。

 

インターネット企業

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Consumer Brands / Internet Net Promoter Score 2017 benchmarks | Customer.guru

トップがYouTubeの59でした。Amazon、Googleも悪くないNPSである一方、Facebookが唯一マイナスのNPS(-21)なのが不思議です。ユーザーのFacebook離れの現れなのでしょうか。

 

航空宇宙・防衛関連

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Aerospace and Defense Net Promoter Score 2017 benchmarks | Customer.guru

このセクターでのNPSにどれほど意味があるかは分かりませんが、資本財関連ということで見てみます。ボーイングは3、ロッキードは4とギリギリでプラスのNPSです。トップは世界最大のミサイルメーカーであるレイセオンですが、NPSの定義上、これを友人・同僚に勧めたいシチュエーションはちょっと想像がつきません。

 

まだまだたくさんのセクターがありますが、今回はここまでにしておきます。NPSのデータは他のサイトでもまとめられており、どれを参照するかによって値は異なると思いますので、より正確性を求めるなら複数サイトの集計が必要でしょう。 

 

NPSは個別のアンケート調査に基づくため、公平性やバイアスの点で注意する必要がありますが、長きに渡って選ばれる(人に勧めたくなる)商品・サービス・ブランドという観点は、長期投資の側面からもぜひ参考にしたいと思います。