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【DBX】Dropboxが上場後初の四半期決算を発表。他サービスとの連携強化に今後の活路を見いだせるか

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Dropboxが今年の上場後初となる四半期決算を発表しました。決算は良かったですがちょっと弱気なガイダンスが気になりますね。同社の将来は他サービスとの連携強化の成否にありそうです。

 

 

Dropboxの2018年第1四半期決算

Dropbox Revenue Increases as It Lands More Paying Users - WSJ

  • EPS:0.08ドル(予想:0.05ドル)
  • 売上高:3.16億ドル(予想:3.09億ドル)
  • ガイダンス:第2四半期 売上高 3.28〜3.31億ドル(予想:3.249億ドル)、2018年通期売上高 13.4〜13.6億ドル(予想:13.3億ドル) 

Dropboxの2018年第1四半期(1月〜3月期)決算は、EPS・売上高・ガイダンスの全てでコンセンサス予想を上回る好決算でした。

 

サービス課金ユーザ数は1,150万人に成長しました。前年同期は930万人だったので、この1年で220万人の課金ユーザを獲得しましたね。

 

サービスの平均ユーザ単価は前年同期の110.79ドルから114.30ドルに増えました。一人あたりのストレージ利用容量が徐々に増えているんでしょうね。

 

ただ決算発表後の株価は少々下げていました。ガイダンスが予想をなんとか上回る程度でちょっと物足りないのと、上場後の上昇分に対する利確売りなどが重なったようです。

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チャートで見るDropboxの四半期決算

売上高、利益の比較(単位:百万ドル)

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Dropboxの2018年第1四半期は、売上高が+28%伸びて3.16億ドルでした。

粗利益は+49%の伸びで2.35億ドルになり、粗利益率も+10%で74%となりました。

営業利益、純利益ともに大きく伸びたのが分かりますね。

 

売上高の成長が少しずつ鈍化し始めている?

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四半期ごとの売上高推移を見てみましょう。

 

まず売上高自体は毎四半期で増加している状況ですね。Dropboxは無料プランのDropbox Basicと、個人向け・チーム向けの各種有料プランによるフリーミアムモデルですので、売上高の増加はほぼ有料プランに移行した課金ユーザ数の増加によるものです。

 

気になるのは売上高の前年同期比での成長率が少しずつ下がっている点でしょうか。まだ30%付近の成長率を維持していますが、このまま下がり続けてしまうと成長鈍化の予兆と見られてしまうかもしれませんね。

 

課金ユーザ数の成長低下が影響?

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課金ユーザ数(百万人)の推移を時系列に並べたものです。四半期ごとのデータが見つからなかったのでちょっと歯抜けになっています。

 

2016年12月末時点で650万人だった課金ユーザ数は現在は1,150万人まで増えたということで、無料プランから有料プランへの移行は順調に増えているようです。

 

一方で前年同期比の成長率は先程の売上高と同じく徐々に下がっています。2016年Q4は35%あった成長率が、2018年Q1は24%と10%ほど減少していました。

 

先程触れたようにDropboxの売上高はこの課金ユーザ数の獲得に全てがかかっていますので、この成長率の低下が今後も続くのかが気になるところです。

 

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低コストに課金ユーザを獲得できるのが強み

Dropboxは元々は個人ユーザ向けのクラウドストレージ・サービスとして始まりました。Dropbox以前にも色々とネット上にデータをバックアップできるサービスはあったのですが、Dropboxが登場したときはそのシンプルかつ洗練されたサービス設計に随分と驚かされました。

 

その使い勝手の良さもあってか、Dropboxのユーザが課金プランに移行する際には殆どのユーザが自分の意志でプラン変更(セルフ・サーブ)しており、Dropboxの営業によるアプローチがなくとも課金ユーザ数がどんどん増える状況を作り上げています。

 

同社のCOOはこの強みについて下記のように述べています。売上高の実に9割がセルフ・サーブのユーザによるものとのことです。

Dropbox's (DBX) CEO Drew Houston on Q1 2018 Results - Earnings Call Transcript | Seeking Alpha

In fact, 90% of our revenue comes from self-serve users, who may never talk to a sales person.

(事実、我々の売上高の90%は営業と会話したことのないセルフ・サーブのユーザが生み出している)

 

そのためDropboxは営業コスト(セールス&マーケティング費)をそれほどかけなくとも課金ユーザを安定して獲得できています。

 

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こちらは年間の売上高に占めるセールス&マーケティング費(株式報酬除く)の割合を比較したチャートです。2015年は売上高の29%を占めていましたが、年々少しずつ減少していき2017年は売上高の25%となりました。

 

参考に昨日のTwilioの決算記事でも紹介した主要SaaSベンダーごとの営業コスト割合を見てみましょう。

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これらのベンダーと比較しても25%の営業コスト割合は低コストな部類に入っているようです。Dropboxのセルフ・サーブによる課金ユーザ獲得が高効率であることを意味しているのだと思います。

 

2018年Q1も下記の通り営業コストの割合は低く維持できていることが分かりました。無料プランのユーザを獲得してサービスを使ってもらえば、後は自発的に課金ユーザに移行してくれるというフリーミアムモデルの理想郷ですね。

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色々と成長率が伸び悩んでいるような印象もありますが、課金ユーザ獲得コストの低さを活かすためにも今まで以上に多くの無料プランユーザを集めてくる必要があるのかなと思いました。

 

そのための施策としては、下記に紹介するように他のサービスとの連携を広げることでそのサービスのユーザたちにリーチするのも非常に有効でしょうね。

 

今後はさらにコンテンツ・コラボレーションの強化へ

Dropboxはただのクラウドストレージサービスからよりコラボレーション色の強いサービスへと転換している最中です。

 

今年の3月にはSalesforceとの統合プランを発表し、SalesforceのサービスからDropboxをシームレスに利用できるようになりました。

 Dropboxと米セールスフォース・ドットコムは、グローバルな戦略的パートナーシップを締結したことを発表。今回のパートナーシップにより、Commerce CloudおよびMarketing Cloud、そしてQuipがDropboxと連携を開始した。

 Commerce CloudおよびMarketing Cloudとの連携では、DropboxフォルダをCommerce CloudおよびMarketing Cloud内に作成することが可能になる。フォルダには社内のチームだけでなく、取引先など社外のパートナーがアクセスすることもできる。

Dropboxとセールスフォースがパートナーシップ強化 連携機能の提供を開始へ:MarkeZine(マーケジン)

 

SaaSビジネスの王者ともいわれるSalesforceとの連携は、Dropboxとしても企業向けにコラボレーション・サービスを大きくアピールすることになったのではと思いますね。

 

DropboxはさらにGoogleのG Suiteと連携したり、MicrosoftAdobeとの連携も発表しています。

 

Dropboxの決算発表の場では下記のように述べていました。

Dropbox's (DBX) CEO Drew Houston on Q1 2018 Results - Earnings Call Transcript | Seeking Alpha

So today we have Dropbox business deployments in about half of the Fortune 500, so we've got pretty broad footprint already. And we have paying users in over 90% of them.

(今日では、フォーチュン500の約半数にDropboxのビジネスを展開しており、すでに広範に手を広げている。さらにその企業の90%以上が課金ユーザだ。) 

 

Of our 11.5 million paying users, we estimate that approximately 80% use Dropbox for work.

(1,150万の課金ユーザのうち、約80%がDropboxを仕事に使用していると見積もっている。)

 

Today, we're focused on addressing the Content Collaboration market, a $50 billion plus opportunity according to IDC estimates

(今日では、我々はIDC概算で500億ドル以上の機会があるコンテンツ・コラボレーション市場への取り組みに焦点を当てている)

 

Dropboxがビジネスの場で非常に高い割合で使われており、彼らもコンテンツ・コラボレーション市場を大きな事業機会と見ていることから、今後はさらに様々なサービスとの連携を進めていくと思いますね。

 

ライバルのBoxも企業向けサービスがメインビジネスですし、クラウドストレージと言う意味ではAppleAmazonもライバルでしょう。なかなか厳しい事業環境ですが、個人的にはDropboxが成長の機会をこのコラボレーション市場に見出すことで、再び力強い成長を見せてくれるのではと期待しています。

 

参考:Boxの四半期決算

www.us-stock-investor.com

 

 

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